第2回目も「食」についてです。
日本は、島国で、地震や火山噴火などが、とても多い国ですが、同時に数えきれない恩恵を授かっています。
四季折々の味覚を楽しめ、季節にあわせた、熱々のすまし汁の椀は、日本ならではの、おもてなしの一杯です。
椀ものに使われる、くせのない旨味だけを抽出した一番だしや、じっくりと煮出した、昆布の旨味、鰹節の香りなどは
四季にあわせた様々な料理に使われています。
歴史ある中国の五味の、「酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩辛い」とは異なる、"旨味"。
水に、旨味と香りだけを使った「だし」は日本独自の食文化です。
この昆布や鰹のだしは日本の軟水でなければ、良い味が出ないと知られています。
日本の河川は、欧米の河川と比べると川の長さが短かいので、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムと
いった鉱物が川の水に浸透する硬水ではなく、軟水が主となっています。
昔の日本人が、お肉を食べなかった要因は、この軟水を使って料理をしても、お肉のあくが取れなかったためと言われています。
日本は、先祖代々、農耕民族で、ひえ、あわ、麦、玄米、木の実等の農作物を、分解、消化、吸収させる過程において、
少しでも長く滞留させて、多くの栄養を摂取させるために、腸の長さが、欧米人とくらべて2、3メートルも長くなっていると
言われています。
欧米人は、昔から、狩猟民族のため、栄養は摂取することができますが、お肉は腐敗しやすいので、如何に早く内容物を捨てるかということを主眼において腸の長さが短いと言われています。
欧米人の、胴が短く、脚が長いというのも納得できます。
このような、歴史的背景があるにも関わらず、日本人は、急速な欧米化スタイルの食生活に突き進み、悲鳴をあげている一番の臓器は「腸」です。
その証拠に、男性のがんの死因の1位は大腸がんです。女性は2位ですが、あと数年も経つと、間違いなく、女性も1位に大腸がんがランクインすると思います。
メンタル的にも、「腸」はとても重要です。
現在の食生活は加工食品を主体としているので、食物繊維、微量性栄養素が非常に少なく、食べると、血糖値が一気に上がり、膵臓から分泌される、インスリンによって一気に下げられます。
血糖値はジェットコースター状態となり、上昇と下降をくりかえします。
脳の活動を正常に維持するためには、100㎎/dl前後の濃度のブドウ糖が必要だと言われていますので、気分も快から
不快を行ったり来たりします。
気分を安定させる役割の「幸せホルモン」であるセロトニンは、人体中に約10㎎程度が存在し、そのうちの9割は腸に
存在すると言われています。
メンタル的にも腸内環境を如何に整えるかが、とても重要なことです。
私は屋久島で生まれ育ったので、人間を屋久杉に例えるならば、葉っぱは光合成を行いますので、人間では肺にあたります。
樹木の幹は、人間の骨、筋肉、樹液は、人間の血液、リンパにあたります。
そして樹木の根にあたるのが、人間の腸です。樹木の根が、栄養を吸収して、樹木全体に送り続けているのと同様に、
人間の栄養吸収細胞が腸にあたります。
人間の腸内が汚れて、腐敗すれば、樹木が枯れていくのと同様に、身体全体にダメージを受けて、様々な病気に繋がってしまうのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
また、更新させていただきます。